だれでもわかる!星座入門
はじめに(星占いの星座ってご存知ですか?)
みなさん、ご自分は何座生まれでしょうか?星占いで使用する星座は、黄道12星座と呼ばれていますが、これだけあります。
- おひつじ座(牡羊座、Aries)
- おうし座(牡牛座、Taurus)
- ふたご座(双子座、Gemini)
- かに座(蟹座、Cancer)
- しし座(獅子座、Leo)
- おとめ座(乙女座、Virgo)
- てんびん座(天秤座、Libra)
- さそり座(蠍座、Scorpius)
- いて座(射手座、Sagittarius)
- やぎ座(山羊座、Capricornus)
- みずがめ座(水瓶座、Aquarius)
- うお座(魚座、Pisces)
おそらく、自分が何座生まれか?はわかっていても、実際に自分の星座を観たことがある方は少ないのではないでしょうか?このブログでは、これら黄道12星座を含めて、有名な星座をご紹介していきます。
おうし座
おうし座のお話
星座入門、第1回は、おうし座です。
「おうし座」は、4-5月生まれの星座として知られている星座ですね。絵で観ると左のようになります。まさに、「うし」。目のところに輝く明るく赤っぽい星は、アルデバランと呼びます。現在(2021年12月)放送中の朝ドラの主題歌で、AIさんが歌う「アルデバラン」という曲の題名の星です。
アルデバランは「後に従うもの」という意味なのですが、これは「プレアデス星団(M45)」の後に上ってくることから名づけられたとのことです。実際、この星座を観ていると、まずはプレアデス星団が東の空から昇ってきて、その次にアルデバランが登ってきます。プレアデス星団はウシの肩あたりに位置する、青白い星がたくさん集まっている星団で、肉眼でも6個ほどの星が寄り添っているのがわかります。双眼鏡や天体望遠鏡で眺めると無数の星を数えることができ、全天でも一二を争う美しい星団です。日本では「すばる」という名前で有名で、谷村新司さんの「昴(すばる)」で有名ですね!
このおうし座ですが、4-5月生まれの星座なのに、今が見頃になります。実はすべての黄道12星座が見える時期は、誕生月と半年ずれています。その理由は、また別の機会にお伝えするとして、今日は、そのおうし座のお話です。
おうし座の外観案内
これが九十九里星空の宿夕凪で実際に撮影したおうし座とオリオン座です。上の星図と比べるとわかりやすいかと思います。
アルデバランは、肉眼で観るとその色はあまりわからないですが、望遠鏡で観るとオレンジ色がかかっているのがわかります。この写真でも、オレンジの色が少しわかると思います。
一方で、スバルは、青色がかってますね。望遠鏡で眺めるとその視野の中に100個以上の細かい星がキラッ、キラッ、キラッ、キラッ、と輝いていて、観ていて飽きません。
カニ星雲(M1)は、牡牛の角の星のすぐ近くにある「星雲」です。これは、1054年に爆発した星の残骸が光っている星雲です。詳しい歴史は、こちらのサイトが参考になります。。
それでは、これらおうし座のホットスポットをご紹介します。
アルデバラン
この写真は、天体望遠鏡で撮影したアルデバランです。
アルデバランは、ヒヤデス星団という星団の真っ只中なので、周りには細かい星がたくさん見えます。
なんとなく大きく写っていますが、これは他の星に比べて明るいため、滲んでいるだけです。星って、木星等の惑星を除き、いくら拡大しても「点」にしか見えないんですね。それでも望遠鏡で覗くとオレンジ色の輝きはますます美しさを増してきます。夕凪のお客様に見せてあげると、「きれ~~」とずーと眺めている方が多いですよ~。
プレアデス星団・スバル・M45
対象的に、ご覧の通り「青い」星達の星団が、プレアデス星団です。先程お伝えしたように、100個以上の青白い光が寄り添って光っている様子は、圧巻です。私の一番好きな星団の一つです。
実は、青白い星は、若い星。オレンジ色の星は、お年寄りの星、と言われています。若い、、、と言っても、プレアデス星団は、生まれてから1億3000万年と言われています❣❣ 60歳で年寄りになってしまう人間からするとなんとも羨ましいですね。ちなみにアルデバラン年齢は、6.6 X 10の9乗歳!んー、なんだかわかりません❣❣❣
かに星雲(M1)
今日最後の話題は、「かに星雲」です。
右下の明るい星が、おうし座の角の星です。このすぐ近く(矢印の所)にある、ぼやっとした小さな雲のような光が「かに星雲」。
かに星雲は、1054年に大爆発した星(超新星と呼びます。)の残骸です。中国の記録『宋史』「天文志」に客星(突然現れた明るい星)として語られていて、1054年7月4日に現れ1056年4月5には見えなくなったそうです。
星が爆発するということは、星としての天寿を全うする事になるのですが、それを「新星」と呼ぶのは面白いですね。まさに次の世代の始まりです。星の世界でも爆発して、チリヂリの雲となり、それが集まって、また次の星が生まれるらしいっす。。。
M1(かに星雲を夕凪の旗艦望遠鏡で拡大撮影しました)
本日のまとめ
いかがでしたか?おうし座は、初冬から春先までの間、とても良く見える星座です。星座の形もわかりやすく、本日ご紹介したように、いろいろな見所もあります。都市部にお住まいの方でも、今の時期は20時頃には、東の空から登ってきますので、一度見えるか?確認してみてください。これから少しずつ、星座の話をアップしていきますので、よろしければ、ブックマークをお願いします。
ふたご座
ふたご座のお話
星座入門第2回は、ふたご座です。
「ふたご座」は、5-6月生まれの星座として知られている星座です。実はふたご座には、とても悲しい神話があります。
ふたごの名前は、カストル君とポルックス君と言います。ちょっとかわいいですね❣ この二人、実は、ギリシャ神話のラスボスであるゼウス様の息子たちです。
仲が良かった二人は、勇者として数々の戦いの中に身を投じます。ところが残念なことに、兄のカストルが敵の矢で命を落とすことになります。弟のポルックスはゼウスの血を引いて不死身となっているため、兄と同じように死ぬことができず、ゼウスに自らの死を懇願します。ゼウスは、兄を慕うポルックスの心に打たれ、その願いを叶えました。そして、二人は、冬の星座を彩る一つの星座「ふたご座」として空にのぼり、いつまでも仲良く輝き続けることとなりました。
ちょっと悲しい神話でしたが、右の写真のように寄り添って、夜空で毎晩過ごしているのですね。カストルとポルックスは実際に星の名前として命名され、厳正まで引き継がれています。
場所は、左の図を御覧ください。前回ご説明したおうし座に続いて、東の空から昇ってくる様子です。
実際の星占いの星座は、月の並びと同じように、順番に登ってきます。
ふたご座の外観
カストルとポルックスは比較的明るい星ですが、体と足元の星は少し暗いので、ちょっと分かりづらいかもしれません。
カストルの足元には、M35(メシエ35)という散開星団があります。散開星団とは、すばると同じように星が一箇所に散らばって見える星の集団です。
M35 (メシエ35) 散開星団
M35を天体望遠鏡で撮影したものです。
望遠鏡を覗くと、視野いっぱいに無数の星々が輝いていて、とても惹きつけられます。写真の右上方に赤っぽい星の集団があります。これはNGC2158と呼ばれる別の散開星団で、大きめの望遠鏡であれば、確認することができます。
ぜひ、皆さんの目で確かめてください。
オリオン座
オリオン座のお話
冬の星座と言ったら、なんと言ってもオリオン座ですね。この名前知らない人はいないと思います。
オリオンは、ギリシャ神話で一番の狩人です。オリオンは、その力を自慢するようになります。美女と野獣のガストンだと思っていただければよろしいかと・・・・。
ガストンを見かねた女神ヘーラ様が、こらしめるために刺客として彼の足元に大きなサソリを放ちます。さすがのオリオンもサソリの毒には勝てず、命を落としてしいます。
オリオンの命を奪ったサソリも星座として空に住んでいます。オリオンは、冬の星座であるのに対して、さそり座は、夏の星座で、同じ夜空で同時に観ることはできません。サソリが東から夜空に上がってくると、オリオンはそそくさと西の地平線の下へ逃げてしまいます。
オリオン座の外観
先日ご紹介したおうし座とオリオン座のツーショットです。
冬のはじめに、まずはおうし座が登ってくるようになり、引き続きふたご座、オリオン座と登ってきます。
どの星座も明るい星が多いので、冬の夜空はとてもにぎやかですね。
M42(メシエ42)
オリオン座の見どころは、なんといってもM42(メシエ42)です。オリオン座大星雲と呼ばれるこの星雲(宇宙のチリ)は、近くの星に照らされて光っています。
望遠鏡でみるとぼやーっとしていますが、左の写真のようなイメージにあわーい像が浮かび上がります。
写真で長時間かけて撮影すると、このようにピンクや紫のとても美しい雲の塊であることがわかります。
M42の場所は、最初の星座のイラストを御覧ください。
M78(メシエ78) ウルトラの星
オリオン座には、もう一つとても有名な星雲があります。
M78。そうです。ウルトラマンのふるさとの星です。
ただ、この話、実は誤植で、M87銀河がふるさとという設定だったらしいです。8と7が入れ替わっちゃったんですね。
星雲は、先程ご説明したように、チリの集まりですので、星はありません。M87銀河には、何十万という星の集まりですので、ウルトラの星があるかもしれません。M87は、こちらを御覧ください。
かに座(蟹座、Cancer)
かに座のお話
かに座は、6月から7月生まれの星座ですね。12星座の中でも一番地味、、、と言っていいくらい目立たない星座です。
ギリシア神話に登場するヘルクレスに踏みつぶされた「かに」がモデルです。うみへび座のヒドラを退治しにいった勇者ヘルクレスが、ヒドラが戦っている最中、ヒドラの加勢に大きなお化け「かに」です。英雄ヘルクレスにとっては「かに」なんてどうでもよく、たちまちぺちゃんこに踏みつぶされてしまったとのこと。
ちなみに、カニが命をかけて加勢したヒドラは、うみへび座としてかに座のすぐ近くにあります。逆にヘルクレス座は、かに座からはるか遠くに鎮座しています。なかなかギリシャ神話と星座の配置は奥が深いです。
M44(かに座の散開星団)
天体望遠鏡を向けると、かに座の中央あたりにM44という散開星団があります。地味な星座ですが、中央にブツブツがあるんです。蟹の甲羅のブツブツが再現されていると言ったところでしょうか?大きめの星団なので双眼鏡で見ると星が集まっている様子がわかりやすいです。望遠鏡だと、この写真のようにバラバラと星がある感じですね。
しし座
しし座のお話
春になると、東の空からしし座が昇ってきます。7月~8月生まれの方の星座です。形がはっきりとしていて、地味な星座が多い春の星座の中でも見つけやすい星座です。
このしし座のモデルは、なんと人食いライオン(しし)らしいっす。このライオンを退治しようと、何人もの勇者たちが出かけていきましたが、誰一人として帰ってくるものはいないという最強ラスボスでした。
こなると最後は、正義のヘルクレスの登場となります。
しかし、彼の持っている武器はこん棒一本。当然、大苦戦となります。こん棒もへし折られてしまい、ヘルクレスは素手で戦うしかありませんでしたが、最後は、ライオンの首をつかまえます。
正義は勝つ!人食いライオンは退治されてしまうのですが、ヘルクレスは、三日三晩の間、ライオンの首を絞め続けたとのことです。
ヘルクレスの姿は、毛皮を身に着けているところがよく描かれていますが、この毛皮は、人食いライオンのものらしいですよ。
☆諸説あります。
しし座の見どころ
しし座には、銀河3兄弟と呼ばれる「系外銀河」が3つ寄り添う姿を見つけることができます。実は3兄弟が2家族あります。系外銀河とは、アンドロメダ銀河のような銀河系の事です。アンドロメダ銀河はとても近い(といっても230万光年も離れてます)ですが、これら銀河3兄弟は、更に遠くなんと3000万光年ほど離れた距離にあります。つまり、今眺めているこれらの銀河は、3000万年かけて、地球にやってきた光を見ていることになります。
望遠鏡で眺めると、大変淡い光ですが、とても神秘的な眺めです。